三陸宮古の きもの屋三上

三陸海岸、宮古市で曽祖父の時代からきものを生業としております。
きものの楽しさをお届けします。

絽小紋のご紹介 その3

本日も「絽小紋」を紹介してまいります。


赤の地色の絽小紋。

水草を表すような直線に、小さな水玉をあしらった、夏にふさわしい涼し気な柄の反物です。若い人が来たら華やかでしょうね。



伊勢形紙とは、小紋、友禅、ゆかたなどの柄や文様をきものの生地に染めるのに用い、美濃和紙を柿渋で貼り合わせたした紙(型地紙といいます)に彫刻刀で、細かくて精緻な柄を丹念に彫りぬいたものです。
伊勢型紙はその99%を三重県鈴鹿市白子地区で生産されており、千有余年の歴史を誇る伝統的工芸用具です。
型紙が染めの型紙として一世を風靡したのは、江戸時代に入ってからで、各藩の大名、武士のの裃(かみしも)にはじまり、町人文化が花開く江戸中期には爆発的に需要が伸びて、伊勢型紙は飛躍的な発展を遂げました。
昭和30年には日本で初めて人間国宝(重要無形文化財技術保持者)30名が認定された時に6人もの伊勢型紙の技術者が認定され、平成5年には伊勢型紙技術保存会が重要無形文化財「伊勢型紙」の保持団体に認定されました。
伊勢型紙は日本が世界に誇れる素晴らしい芸術です。





こちらは地色も薄色で小花(桜)を全体にちりばめた、清涼感あふれる絽小紋です。

桜は硬貨などにも描かれている国の象徴の花ですから通年着ることが出来ます。ゆかたなどでも桜の柄はあります。

春の芽吹きを連想させることから、これから新しいことが始まることをイメージさせる縁起の良い花です。また、桜は稲作の神が宿る木と言われ五穀豊穣の意味があります。
華やかな美しさと散り際の潔さは、日本人の美意識と結び付き様々な桜の文様が産み出されました。

なにより日本人は桜が大好きなのでデザインとしてもとても愛されています。